記念日に大ゲンカ。

夜、彼女からメールが来た。

【式場の仕事中、おじさんに30秒ほどおしりを触られた。
でも嫌悪感を感じなかった。】


これで早速、電話してみた。
彼女よりもオレの方が自分の女がやられたと憤っていた。
女友達に聞いても絶対イヤと言うから、女性として危機意識を持つ様に言いたかった。


今になったら、かなり逆上していたな。
どうしようもない、出口のない怒りをぶつけた場面もあったと思うよ…。



もっと女として危機意識を持て！
次にされたら、きちんと相手に言え！

よく言うセリフみたいに私の身体に触れていいのは恋人だけ。
自分を決して安売りしない感じであって欲しかった。


【お客さんにされたら何も言えない…。】




この言葉で切れた。




お前はお触りパブや風俗に勤めているのか？
客だから何しても良いわけじゃないから、バシっと言え！
チカン行為は性犯罪と同じじゃないか！




【もういい、もういいよ。】
彼女が電話向こうで大きく泣き崩れる。


【うちはIみたいにはっきり言えないもん。そんなに強い人間じゃないもん。】


彼女の話を聞いて分かった。
オレの理想を気が付いたら押し付けていたんだなぁ…。


そうだった。
じっくり考えると分かる事やんか。


彼女はかなり内気な性格だから、俺みたいな攻撃型人間みたいにバシバシと言えない。
異性が苦手なので自分の言いたい事を言える男はオレ以外いない。

そう前に言っていた。見ていりゃ確かにそうだ。

あいつは不器用な子じゃないか。
お前はそんな子の彼氏なんだろ？
なんで自分の考えを押し付けるあまり、相手を尊重しなかった？




色々な感情の激流によって彼女。
【感情や思考が停止して、真っ暗な状態…】


凄まじい自己嫌悪になった。


どうにか付き合いは続ける事になったのに、なんか彼女の言葉に棘を感じる気がする。
勘違いだと彼女との会話で理解は出来たが、もうオレにもゆとりがなかった。



【ああ～。私の人生って楽しい事なんかないんだろうなぁ…。】

冷静になってみたら、今になってみたらわかる。

幸せや楽しみとかは彼女じゃないとわからない。

しかし多分、彼女は色々な衝突で自己嫌悪やマイナス思考に囚われているだけ。

違うよとかいい事もあるさ見たいな慰めが欲しいから甘える。
不器用な彼女の自己表現だったと思う。



でもそん時、オレに余裕がなかった。



天邪鬼な言葉に【ああ、そうかい！】

自分との付き合いを否定されたみたいに早合点。
有無も云わす電話を切ってしまった。



せっかく仲直り出来たのに…。
ちょうど付き合い始めて丸1年の記念日にこれだとはなぁー。


凄まじい後悔と自己嫌悪だよ…。